佐藤卓・装丁「あおくんときいろちゃん ボードブック」が出版されました(2021年11/1付)

※至光社プレスリリースより

0歳から100歳までのすべての子どもたちへ絵本をとどける、有限会社至光社が、レオ・レオーニの絵本の原点となった名作『あおくんときいろちゃん』を、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏の装丁によるボードブック版として2021年11月1日(月)に出版いたします。

絵の具で描かれた青や黄色のシンプルな丸が生き生きと動きまわり、絵本ならではの夢と感動をもたらすロングセラー絵本を、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏が新たに装丁したボードブックが完成。小さなお子さんからおとなまで、すべての人に優しい”ファミリーブック”が出版されます。

  

掌(てのひら)で温もりを感じる装丁

日本では1967年から50年以上もの間、52もの版を重ね、多くの人々に愛されてきた古典的名作絵本を、グラフィックデザイナー・佐藤卓氏が、子どもからおとなまで誰もが手に取って楽しめるボードブックとして、新たに装丁しました。

形・手触り・書体など、細部に“親しみ”を感じる装いのボードブックは、こどもからおとなまですべての人が、その人それぞれに楽しめる“ファミリーブック”。掌(てのひら)で温もりを感じる絵本です。

  

著者について

・ レオ・レオーニ(Leo Lionni)

1910年オランダ アムステルダム生まれ。イタリアで暮らした後、29歳でアメリカに亡命。ニューヨークでアーティスト、イラストレーター、グラフィックデザイナー、として成功を収める。第一線のグラフィックデザイナーとして活躍していた49歳の時、一緒に電車で移動していた孫のために作られたのが最初の絵本「あおくんときいろちゃん」。

「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「さかなはさかな」「うさぎをつくろう」「じぶんだけのいろ」(以上好学社刊)。

カルデコット賞を3度受賞の他、米国、ドイツなどで数多くの賞を受賞。1999年没。

  

・ 藤田 圭雄(ふじた たまお)

1905年生まれ。童謡詩人、童話作家、児童文学研究家。東京に生まれ、早稲田大学独文科卒業。平凡社に勤務、滝沢修らと演劇運動に関わり、1933年中央公論社に入社、児童文化関係の出版に携わる。童話雑誌『赤とんぼ』や『少年少女』を編集。さらに『中央公論』『婦人公論』編集長となる。サトウ・ハチローと童謡研究会「木曜会」をおこして児童文学の創作に入り、童謡集『ぼくは海賊』(1965)、少年小説『山が燃える日』(1969) などを出す。その後、童謡の歴史的研究にもっとも力を入れ、大作『日本童謡史』(1971、84)2冊を完成。良識ある児童文学界の長老として、長く日本児童文学者協会会長を務め、その後は名誉会長となり、日本童謡協会でも名誉会長を務めた。1999年没。

   

・ 佐藤 卓(さとう たく)

1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了。株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所(現株式会社TSDO) 設立。「ニッカウヰスキー ピュアモルト」の商品開発、「ロッテ キシリトールガム」、「明治おいしい牛乳」のパッケージデザイン、「PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」のグラフィックデザイン、「金沢21 世紀美術館」、「国立科学博物館」、「全国高等学校野球選手権大会」のシンボルマークデザイン。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アート・ディレクター、「デザインあ」総合指導、21_21 DESIGN SIGHT 館長を務める。展覧会、『water』『縄文人展』『デザインの解剖展』『デザインあ展』など。著書、『塑する思考』(新潮社)、『大量生産品のデザイン論- 経済と文化を分けない思考-』(PHP 新書) など。

   

装丁

人の記憶を丁寧に未来につなぐ作業

この古典的な名作を未来に引き継ぐために、私たちがその想いを託したのは数多くの名デザインを生み出し、近年ではNHK Eテレ「にほんごであそぼ」や「デザインあ」など、大人から子どもまで、私たちの日常に寄り添うグラフィックデザイナー・佐藤卓氏。

「人の記憶を丁寧に未来につなぐ作業」と言う氏の意思は、古典的な名作絵本に新たな命を吹き込み、時代が大きく変化する“今”と“未来”を生きる子どもから大人まで、幅広い人たちに時を超えた原作者の想いを密かに、そして確かにつなぎ、新たな感動を与えてくれるものと確信しています。

   

出版から58年の時を超え明かされたもう一つの“誕生秘話”

4年前の2017年秋、レオ・レオーニの孫娘アン・レオーニさん(以下アニーさん)が、アメリカの代表的出版誌「PUBLISHERS WEEKLY」に発表した「あおくんときいろちゃん」に関する新たな事実について、掲載記事を知らせてくれました。

その記事には世界的絵本作家であるレオ・レオーニが初めての絵本「あおくんときいろちゃん」を創作する1年前の1958年、すでに名声を得ていたグラフィックデザイナーとしてベルギーのブリュッセル万国博覧会で発表したものの、当時の東西冷戦や人種差別主義が強く作用した国家の意向によって、たった数週間で取り下げられた展示作品の事が書いてありました。日本でも2018年以降「みんなのレオ・レオーニ展」(朝日新聞主催)、「だれも知らないレオ・レオーニ展」(板橋区立美術館、朝日新聞社主催)で展示された「未完成の仕事」についてです。

この「未完成の仕事」の最後のパートに「望まれる未来」として、異なる肌の色・人種と思われる7人の子供たちが、マザーグースの手つなぎ唄『Ring a Ring o’ Roses (リング・ア・リング・オ・ローゼズ)』を歌う様子が大きな写真パネルで展示されていたのです。

孫娘のアニーさんは写真の存在を知人に初めて知らされ目にした時に、その写真の構図が、事件の1年後1959年にレオ・レオーニが初の絵本作品として出版した「あおくんときいろちゃん」の本文の一場面と酷似している事に気づきました。

「あおくんときいろちゃん」は、グラフィックデザイナーのおじいちゃんであったレオ・レオーニが公共の乗り物で孫たちをあやすため、その即妙な才能で創り上げた名作絵本、と言う誕生秘話が通説であったものの、その根本には平和への強い意思と希求に基づいた作者の強い信念が存在していたことを知りました。

そこで私たちはこの古典的名作に織り込まれた強い想いに呼応するためにも、読者に何らかの再提示することを願うようになりました。

   

出版概要

  • 有限会社 至光社
  • タイトル: あおくんときいろちゃん ボードブック
  • 作者: レオ・レオーニ
  • 翻訳: 藤田 圭雄(ふじた たまお)
  • 装丁: 佐藤 卓(さとう たく)
  • 発行年月: 2021 年11 月1 日
  • I S B N: 978-4-7834-0331-9
  • 本体価格: 1,200 円(税込:1,320 円)
  • 至光社ウェブサイト: http://www.ehon-artbook.com/